春を告げる鳥アオサギが、今年も南の方よりイオン平岡店の樹林地(通称:平岡イオンの森)=札幌市清田区平岡=に飛来し、営巣活動を始めました。

平岡イオンの森の上を飛ぶアオサギ= 2022年3月13日

 アオサギを観察している地元の公園・自然ボランティアグループ「平岡どんぐりの森」によると、今年は3月7日(月)に4羽の初飛来を観察したそうです。

 その後もアオサギの飛来は続き、3月13日(日)に平岡イオンの森に行ってみると、森の北側のカラマツの木の上の方に数多くのアオサギと巣が確認できました。

 アオサギは体長90センチほどの大きな渡り鳥で、3月に平岡イオンの森に飛来し、ここで巣をつくり、卵を産み、ひな鳥を育て、7月初めごろまで子育て等の営巣活動を行います。

 この間、親鳥は北広島市や長沼町方面まで飛んで、えさの魚などを捕ってくるそうです。近場の清田区真栄の釣り堀の魚を捕ってしまうこともあるようで、釣り堀の経営者の悩みになっています。

 夏には、若鳥が飛ぶ練習をしている様子なども見られるそうです。8月から9月にかけて、アオサギは南の方に渡っていきます。

 アオサギの集団営巣地(コロニー)は、もともと野幌森林公園にありましたが、アライグマに襲われ1997年、アオサギの集団は野幌コロニーを放棄し、7㎞離れた「平岡イオンの森」と、20㎞離れた「篠路五ノ戸の森緑地」(札幌市北区篠路3条10丁目)に分かれて移ったといいます。

 以来、この2か所が札幌のアオサギの2大コロニーになっています。

 平岡イオンの森には、アオサギの巣が100個以上あるといいます。

 これから夏にかけて、イオン平岡店周辺では、住宅街上空を優雅に飛ぶアオサギの姿が見られることでしょう。

 平岡イオンの森は、もともと北海道拓殖銀行の土地でした。周囲には拓銀の野球場や運動施設もありました。

 拓銀が破綻したことから1998年、拓銀の森や野球場などこれらすべてをイオン(当時ジャスコ)が買収し、イオン(ジャスコ)平岡店を建設、開業しました。

フェンスで囲まれている平岡イオンの森

 計画の段階で「たくぎんの森を考える会」がアオサギのコロニーを含め周囲の樹林の存続をイオン側に要望した経緯があります。イオンは、森を開発から除外し、フェンスで囲って人が入れなくするなどの対策をして、今日に至っています。

 ただ、イオン北海道は最近、イオンの森を少し開発し、買い物客や地域の人が利用できるようにする計画を練っています。その際、アオサギコロニーに影響が出ないよう、イオンの森の南側に開発を限定するなどの処置が図られる予定です。

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