北海道最大規模のミズバショウ(水芭蕉)群生地として知られるマクンベツ湿原(石狩市船場町)に今年も行ってきました(2022年4月21日)。今年のミズバショウは、白い外皮(仏炎苞)の部分が昨年より少し小ぶりな感じがしますが、湿地の奥の奥まで続くミズバショウはやはり圧巻です。

マクンベツ湿原のミズバショウ群落=2022年4月21日

 マクンベツ湿原は石狩川の最下流部の左岸にあり、面積は130ヘクタール。そのうち水芭蕉の群落が45ヘクタールも広がっているそうです。

マクンベツ湿原の入り口。看板があります

 場所は分かりやすいです。札幌から車で国道231号線を行き、石狩河口橋の手前を右折、道道508号線沿いに4つの駐車場があります。2番目の駐車場が、湿原の中の木道入口に最も近くて便利です。向かいは札幌ベイゴルフ倶楽部なので、このゴルフ場を目標に向かってもよいでしょう。

 駐車場で車を降りて、石狩川の土手(丘陵堤)を越えて100メートルほど歩くと、看板のある湿原入り口になります。

 ここから湿原の中を幅1メートルの木道が一直線に400m伸びています。一歩、木道の上を歩いて湿原に入ると、もう辺り一面、水芭蕉の群落が迫ってきます。

 ミズバショウの湿地は、ハンノキ林になっていて、木々が水面に移り、そこにミズバショウ群落が加わって、絵のような美しい世界が現れます。

 札幌中心部から車で40分ほどのところに、このような野性味あるミズバショウ大群落が鑑賞できるというのは、やはり魅力です。

ヨシ原

 木道をさらに歩いて行くと、やがてハンノキ林が途切れて、辺りは一面、ヨシの群落(ヨシ原)になります。一転、荒涼した風景となり、ここにはミズバショウはありません。

 そのまま木道を前に進むと、今度はヤナギ林になり、再びミズバショウの群落が現れます。しかし、ハンノキ林のミズバショウ群落ほど大きくはありません。

木道の終点は石狩川の川辺

 やがて木道は石狩川の川岸に到達し、終点となります。すぐ目の前は、とうとうと流れる大河、石狩川です。

 再び木道を戻り、湿地を出て、丘陵堤沿いを歩きます。湿地外から見る形になりますが、やはりどこまでもミズバショウを鑑賞することができます。ただ、湿地内の木道のほうが、目の前でミズバショウを鑑賞できるので、やはり木道からの鑑賞が一番のようです。

 木道は平成19年(2007年)に設けられました。

 ところで、ミズバショウの歌といえば「夏の思い出」が有名ですね。「夏が来れば思い出す」で始まる、誰もが知っている名曲。「遥かな尾瀬 遠い空」「水芭蕉の花が咲いている」と続きます。

 でも、札幌では雪が解けて4月に咲く花ですよね。高原の尾瀬でも5月末から6月初めにかけて咲くそうです。

 では、なぜ夏なのでしょうか。俳句で、水芭蕉は夏の季語だそうで、それで「夏が来れば」となったようです。

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