札幌市は1月12日(木)18時30分から、「地域交流拠点清田のまちづくり」についての説明会を清田区民センター(清田区清田1条2丁目5-35)で開催します。市の地域交流拠点清田のまちづくりは多くの疑問点や問題点があります。ぜひ、時間のある方は参加しましょう。
地域交流拠点清田とは、国道36号線と道道厚別滝野公園通が交差し、清田区役所や西友清田店などがある地区のことで、清田区の中心核としての発展と賑わいが期待されている所です。
札幌市は、市内に地域交流拠点17か所を指定し、交流拠点を中心とした人の流れとまちづくりを進めています。ところが、清田だけは地下鉄駅がなく、従ってバスセンターもなく、人の流れも拠点づくりも進んでいません。
これに対して札幌市は、イオン平岡店と連携して地域交流拠点清田のまちづくりを進めようとしています。イオン平岡を「地域交流拠点清田」に強引に関係づけて、増床増築を許可し、その賑わいを地域交流拠点清田地区に及ぼそうという「まちづくり」です。
イオン平岡とは移動距離で2.4㎞(イオン平岡店の中心部から西友清田店の中心部まで)も離れていて、とても歩いて行き来できる距離ではなく、イオン平岡店の客が清田地区に流れていくなんてことはあり得ません。
イオン平岡店を地域交流拠点清田と一緒にするのは無理があります。これは、清田区に住んでいる区民ならだれでも思うところです。
市は、「両地区間にバスを走らせる」と言っていますが、イオン平岡店に行った人が、どうして用もないのにバスに乗って区役所のある清田地区に行くんですか。市の説明は、ばかばかしいにもほどがあります。
しかも、イオン平岡と連携して地域交流拠点清田を形成しようなどという考えは、地域住民の誰からも出てきていなかったものです。市が突然、上から地域に下ろしてきたシロモノです。市民自治、住民自治が聞いて呆れます。
なぜ、こんな無理なことを札幌市はするのでしょうか。それは、イオン平岡店増床(数万平方メートル)計画というものがあり、それを市はなぜかサポートしたいからのようです。
現状では、イオン平岡店は都市計画上の「用途地域」の縛りがあり、1㎡の増床もできません。イオン平岡店が建っている土地は「第2種中高層住居専用地域」という用途地域になっているからです。しかし、イオン平岡店を「地域交流拠点」に関係づけてしまえば、一気に4ランクも規制が緩い用途地域「近隣商業地域」にできると市が決めているのです。「近隣商業地域」にしてしまえば、いくらでも商業施設の増床増設ができるのです。
市は、イオン平岡の増床を認めることが主で、地域交流拠点清田は口実(ダシ)にしているとしか思えません。
そもそも札幌市は2007年、イオン平岡店の増床申請に対して「これ以上の商業施設の集客環境を作るのは好ましくない。他の既存商業施設にも影響が出る」と不許可にしているのです。当時となにか地域の状況が変わったのでしょうか。変わっていません。
どうして札幌市は判断を覆してまでイオンに便宜を図るのか、区民から見て全く不可解です。地域では「イオンの方だけを見て、地域とりわけ清田地区のことはどうでもいいという姿勢」との声が聞かれます。
もちろんイオン平岡店が魅力ある店になることになんら意義はありません。むしろ期待し歓迎します。イオンの現場の社員が頑張っていることも知っています。地域交流拠点清田との不透明な関係などに頼らず、堂々とイオン独自に魅力ある店づくりをすればいいことではないですか。
札幌市は、清田区ではイオンの方ばかりを向いたまちづくりをしているので、地域交流拠点の本筋である「地下鉄駅とバスセンターの設置=交通結節点」の検討・議論がおろそかになっています。札幌市の「イオン平岡と連動した地域交流拠点清田のまちづくり」には、地下鉄駅やバスセンターの議論は全く触れられていません。これが実は地域にとって最も大きい問題です。
地下鉄東豊線建設促進期成会連合会(会長:牧野晃清田地区町内会連合会顧問、清田区5町連、豊平区5町連、清田地区商工振興会など14団体で構成)は毎年、市長に「地下鉄を清田まで延伸してほしい」と何十回も要望してきました。昨年も9月21日に秋元札幌市長と面会し、「地域交流拠点清田まで地下鉄を延伸させ、地下鉄駅とバスセンターの交通結節点を設置してほしい」を重ねて要望しました。
清田以外の16の地域交流拠点は、みんな地下鉄駅(またはJR駅)とバスセンターがセットになった交通結節点になっています。地域交流拠点同士は、地下鉄またはJRで相互につながっています。だから、拠点として人が集まり交流が生まれるのです。清田だけ、それがないのが問題なのです。
地域交流拠点清田の核心は、イオンではなく地下鉄です。イオン平岡店を増築増床させれば地域交流拠点清田に人が集まり交流が広がるんですか。そんなことありえないじゃないですか。
地下鉄東豊線建設促進期成会の昨年の要望書は次のように市の姿勢に懸念を表明しています。
「どうしてイオン平岡店の増床・増築が『地域交流拠点清田の機能向上』になるのか、私たちは全く理解できません。むしろ地域交流拠点清田の地区がさびれて、その拠点形成が遠のいてしまう恐れすら感じています」
清田地区での取り組みがまったくおろそかになっています。市はもっと、清田地区において地域交流拠点清田の形成に真正面から取り組んでほしいものです。
札幌市の説明会は1月12日(木)18時30分から、場所は清田区民センターです。
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