酷いことするなぁ。きょう1月27日(金)、北海道百年記念塔の痛々しい姿です。外板がはがされ、中の構造がむき出しになっていました。

壊される北海道百年記念塔=2023年1月27日

 道は「百年記念塔は老朽化して危険。維持するには向こう50年間で30億円必要。そんなお金はない」と、1月23日(月)、解体に着手しました。それからわずか5日で、ここまで解体が進みました。

 北海道新聞によると、3月に開業する日本ハムの北広島ボールパークのアクセス道路造成に、道は63億円出しています。民間の野球場の道路には63億円出すけど、北海道の歴史が詰まった歴史的文化的価値も指摘されている北海道百年記念塔には30億円も出せないという判断のようです。

 北海道百年記念塔は昭和43年(1968年)、北海道百年を記念して着工し、昭和45年(1975年)に完成しました。高さは100m。北海道を切り開いた先人の苦労を偲び、感謝し、未来に向かって北海道をさらに築いていこうという思いがこもった記念塔です。

 また、この50余年の間に、百年記念塔に遠足に行ったり、家族と一緒に行ったりした市民、道民も多く、多くの人にとって思い出の詰まった場所です。心の風景、ふるさとの風景になっている人も多いことでしょう。

 校歌に百年記念塔を歌いこんだ学校も多くあります。その数は、厚別区、江別市、清田区などの小中高校16校に及んでいます。清田区では北野小、清田南小、真栄中の3校が校歌に百年記念塔を取り入れています

 子どもたちは開校以来、百年記念塔の入った校歌を歌ってきました。記念塔がなくなったら、どういう気持ちで歌うのでしょう。

 1月27日(金)、破壊されていく百年記念塔の前で、百年記念塔の入った校歌を歌う人がいたそうです。母校の校歌だそうで、歌いながら泣いていたといいます。

 百年記念塔の足元では、クレーンの付いた重機が3台動いていました。ギシギシ、ゴンゴン、ガシャ。北海道の歴史を破壊する北海道庁。そんな地方自治体って、ありますか。記念塔を破壊する音が悲しい。

 本当に解体しなければいけないのか、今一度、道は道民、市民に丁寧な説明が必要ではないですか。このまま黙々と壊していくのですか。

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