3月26日告示、4月9日投開票の札幌市長選挙は、3選を目指す現職の秋元克広氏と、2030札幌五輪招致反対を打ち出している元札幌市市民文化局長の高野馨氏、同じく五輪招致反対のNPO法人事務局長の木幡秀男氏の3人による争いという構図が固まりました。
秋元氏は立憲民主党が推薦、自民党と公明党が支持を打ち出しています。高野氏は、主要な政党のつながりはなく、地域政党の「市民政党さっぽろ」が擁立。木幡氏は共産党が擁立します。
このうち、高野氏は2月22日に先陣を切って公約を発表し、秋元氏も3月8日に公約を発表しました。木幡氏は3月21日に公約発表しました。
公約を発表した高野氏、秋元氏、木幡氏について、地下鉄清田方面延伸と清田のまちづくり、そして最大の争点と言われる札幌五輪招致について、それぞれどのような公約を発表したのか、「ひろまある清田」が、それぞれの公約集から詳細に紹介します(公約発表順)。
■地下鉄清田方面延伸について

高野馨氏
◇高野馨氏
「地下鉄東豊線を清田区まで、東西線を手稲区まで延伸します。(両区で約10㎞)」
そして、補足説明として高野氏は次のように説明しています。少し長いですがノーカットで全文紹介します。
「今回、地下鉄の無い清田区と手稲区に地下鉄を延伸することを公約としますが、地下鉄に関しては、過去に累積欠損が5500億円に達したことがあり、その当時から30年経って、現在は約2000億円と、単年度黒字に転換するまでに至りました。
両区に地下鉄を延伸した場合、距離にして約10㎞、建設費は2000億円はかかると想定されます。
しかし、過去の累積欠損の解消度合いを鑑みると、今は30年ペイどころか50年ペイが普通であり、延伸の是非を単なる需要予測だけで判断をするのではなく、地域住民の利便性を最重視することが肝要と考えます。
工事方法として開削工法やシールド工法などがありますが、南北線の平岸以南のような地上走行のシェルター方式なども検討のうえ、安価な工事手法を追求したいと思います。
なお、地下鉄建設費については補助裏の企業債充当率が100%であることから、基本的に税投入は無く、また、企業債返済のための資金手当ても地下鉄特例債や資本費負担緩和分企業債、資本費平準化債、さらには一般会計からの繰出しについても出資債が手当てされ、後年時の地方交付税措置も見込めることから、長いスパンでの乗車料収入での損失補填を見据えれば、両区への延伸は十分可能と考えております」

秋元克広氏
◇秋元克広氏
「地下鉄清田方面延伸の可能性について、今後の札幌ドーム周辺における土地利用の状況や将来的な需要の推計等を踏まえて、総合的な検証を行います」
そして、札幌ドーム周辺の土地利用について次のように公約しています。
「スポーツの振興やスポーツを通じた健康寿命の延伸、経済・街の活性化に向け、札幌ドームとこれを中核とする周辺エリアを、障がいの有無や年代の違いにかかわらず多くの市民が利用できる『スポーツ交流拠点』として整備します」
「老朽化した月寒体育館をリニューアルします」
(「ひろまある清田」注)これは、新しい月寒体育館を札幌ドーム周辺エリア(北海道農業研究センターの土地)にスポーツ交流拠点の中核施設として建設することを意味しています。
「札幌ドームとその周辺を、展示会や子供向けイベントなど、さまざまなイベントを一体的に開催できるエリアにして集客力の向上を図ります」
◇木幡秀男氏

木幡秀男氏
「市電の延伸、清田地域の地下鉄延伸、バス路線などの住民の足を守る公共交通は、まちづくりと一体であり、住民の納得や合意を得て進めます」
■清田区のまちづくり関係
◇高野馨氏
「清田区民センターを清田区役所近くに移転するなど、同地区の地域交流拠点化を推進します」
◇秋元克広氏
「多くの公共施設等が集まる真駒内駅前地区、北区北部地区の生活を支える篠路駅周辺地区、にぎわい交流づくりに取り組む清田区役所周辺の3エリアを、「地域交流拠点(※)」として再整備します。
※地域交流拠点 交通結節点である主要な地下鉄・JR駅の周辺で、都市基盤の整備状況や機能集積の現況・動向などから、地域の生活を支える拠点としての役割を担う地域のほか、区役所を中心に生活利便機能が集積するなどして区の拠点としての役割を担う地域
■札幌冬季五輪招致について
◇高野馨氏
「札幌冬季五輪の招致に反対し、自治基本条例22条に基づく住民投票を実施し、民意を確認したうえで完全撤退します」
◇秋元克広氏
「子どもや若者たちに将来への夢や希望を与え、持続可能なまちづくりの契機とするためのオリンピック・パラリンピック冬季競技大会については、透明性・公平性の高いクリーンな大会の計画案を策定し、市民等の意向を確認したうえで、招致を目指します」
◇木幡秀男
「2030冬季オリンピック・パラリンピック招致はとりやめます」
高野氏、秋元氏、木幡氏の選挙公約はインターネットで見ることができます。
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