北海道の最高峰、大雪山旭岳(2291m)の中腹にある「姿見の池周遊散策コース」(標高1600m~1670m)を歩き、チングルマなどの高山植物が咲き乱れるお花畑を見てきました。感動ものです(2023年7月5日)。

旭岳中腹に咲くチングルマの群落=2023年7月5日

チングルマ

 旭川鷹栖インターから車で約70分。旭岳ロープウェイに到着し、駐車場に車を停めて(料金500円)、ロープウェイ山麓駅(標高1100m)からロープウェイに乗ります(料金往復3200円)。

白いチングルマと赤いエゾツガザクラの群落

 ロープウェイからの眺望は素晴らしく、途中、森林限界(高木が生育できず、森林を形成できない限界線)を超え、高い木々はなくなります。

 10分で標高1600mの姿見駅に到着しました。

エゾツガザクラ

 残念ながら、この日は旭岳の上の方は雲がかかり、山頂の美しい姿は見えませんでした。旭岳ふもとの東川町のまちは晴れていたのに、旭岳は雲がかかっていました。

 前回(2022年9月22日)訪れたときは快晴で、山頂がとても美しく目の前にそびえていたのですが。

擂鉢池とチングルマ

 姿見の池散策コースは、ロープウェイ姿見駅を降りて1周1.7㎞の周遊ハイキングコースです。若干、アップダウンはありますが、気軽に高山ハイキングが楽しめる散策路です。

雪渓を背に咲くキバナシャクナゲ

 散策コースの周囲は、チングルマやエゾツガザクラ、キバナシャクナゲなどの高山植物の群落があちこちにあり、高山植物の見事なお花畑になっています。

 7月だというのに、あちこちに残雪、雪渓がありました。雪渓をバックにお花畑があるなんて、やはり大雪山だなと思いました。

姿見の池

 この辺りは旭平と呼ばれていて、先住民族のアイヌの人たちは、カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼んで、その美しさを讃えたといいます。姿見の池をはじめ擂鉢池や鏡池、満月沼などの池もあり散策コースに彩りを添えています。

 大自然の中で、たくさんの高山植物が花を咲かせているのです。

エゾコザクラ

 中でも、主役はやはりチングルマでしょう。旭平のそこかしこに、旭岳をバックに白い花の群落を形成しています。

 チングルマは、北海道から日本アルプスまでの高山に分布するバラ科の高山植物です。チングルマは背丈が20cmしかなく、見かけは植物ですが、なんと落葉広葉樹、つまり木なんだそうです。

メアカンキンバイ

 なんでも、酷寒の冬、寒さを避けるため、高く伸びるのをやめて、雪の下で暮らすのだそうです。そのチングルマ、短い夏の間、旭岳のお花畑で精いっぱい花を咲かせています。

ミツバオウレン

 ほかにも、エゾコザクラ、メアカンキンバイ、ミツバオウレン、ショウジョウバカマなどたくさんの高山植物の花を、散策路脇で見つけました。

 姿見の池まではロープウェイ姿見駅から30分あまり。近くで旭岳の噴気孔から白い水蒸気が噴き出しています。

 周遊散策路は姿見の池が最奥になります。そして時計回りでも反時計回りでもどちらから回っても構いません。

ゴゼンタチバナ

ショウジョウバカマ

ウコンウツギ

 姿見の池からは、旭岳山頂を目指す登山道もあります。こちらは一定の体力が必要のようです。山頂を目指さなくても、姿見の池散策コースを歩くだけでも、大自然と雄大な景色を堪能できます。

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