春告げ鳥アオサギが今年も清田区平岡の平岡イオンの森にたくさん飛来し、森の上空や周辺の住宅街を飛び交っています。森の中に巣をつくり、6月下旬ころまでここで子育てをします。
アオサギは全長90㎝~98㎝の大きな鳥です。身近な自然に親しむ活動をしているグループ「平岡どんぐりの森」(代表・荒井美和子さん、会員20名)は、今年も3月2日に南方より初飛来したのを確認しました。その後、次々と飛来し、数が増え、アオサギは平岡イオンの森で営巣活動に入っています。
平岡イオンの森は、カラマツやシラカバの木などが生い茂り、立ち入り禁止のため、自然がそのまま残されています。アオサギはカラマツの木の高い所に巣をつくり、ここで子育てを行います。
北海道アオサギ研究会の代表の松長克利さんによると、平岡イオンの森では、3月につがいが形成され、4月は抱卵期で、5月から6月にかけてひな鳥を育てます。
6月下旬から7月にかけてが巣立ちの季節で、アオサギたちは平岡イオンの森の巣を離れてエサ(魚など)の豊富な川や水路、田んぼなどのある地域に飛んでいきます。
アオサギは8月から9月にかけて、本州方面など南に渡り、翌年の3月にふたたび平岡イオンの森に飛来してきます。
平岡イオンの森は、このようにアオサギの集団営巣地(コロニー)になっているのです。
札幌近辺では、コロニーは平岡イオンの森と篠路、江別にあるくらいだそうです。篠路コロニーは規模が小さいので、平岡イオンの森は札幌最大のアオサギのコロニーというわけです。清田区の宝ですね。
平岡イオンの森がアオサギのコロニーになったのは1997年からです。それまでは野幌にコロニーがあり、アオサギはそこで営巣していました。ところが、アライグマに巣をやられてしまい、1997年に平岡に移ってきたといいます。
平岡にアオサギが来るようになって今年で20年です。清田区も今年で20年。同じですね。緑と自然の豊かな清田区は、「アオサギが飛ぶまち」でもあるのです。
「平岡どんぐりの森」は今年も4月19日(水)、平岡高校屋上でアオサギ観察会を開催しました。寒い日でしたが、会員や市民ら10人が参加し、約800m離れた平岡イオンの森のアオサギ営巣地を望遠鏡を使って観察しました。
カラマツの樹林の上を悠然と飛ぶアオサギと、カラマツの木につくったたくさんの巣がよく見えました。この日は約30個の巣を確認しましたが、死角になっているところも多く、「平岡どんぐりの森」の過去の記録によれば、約100個の巣があるものと思われます。
観察会には、北海道アオサギ研究会の松長代表も参加し、専門的な話も聞くことができました。
「平岡どんぐりの森」では、5月にもアオサギ観察会を開催するほか、6月ごろには、アオサギ講演会も予定しています。
アオサギはイオン平岡の駐車場から、目の前を飛ぶところなどを見ることができます。また、雄鳥が北広島や長沼方面にエサを取りに飛んでいく姿もよく見られます。清田区の住宅街の上空を悠然と飛んでいく様子は、清田区の春の風物詩になりつつあります。
平岡どんぐりの森の連絡先は、荒井さん(TEL 011-896-0058)。