厳冬期に地震や暴風雪などの自然災害が発生したら、大変ですね。どんな備えが必要なのでしょうか。そこで、清田区民センター運営委員会は1月30日(木)、「避難所・防災セミナー」を清田区民センターで開催しました。

災害への備えを話す札幌市防災協会の細川講師
札幌市は令和3年(2021年)、札幌の地下にあると想定される月寒断層が動くと、最大震度7の地震(阪神淡路大震災並みの地震)が起きる可能性があるとの推定を発表しました。

避難所・防災セミナー
発生が「冬の18時」の場合、最も被害が大きくなり、札幌市内の死者は4847人と想定。そのうち凍死者が何と4030人。地震で建物や家具の間に挟まれるなどしたら、札幌の厳冬期の場合、2時間で凍死するそうです。
また、建物被害は全壊が1万4379棟、半壊が4万1603棟、火災が60件、避難者が14万9853人と想定しています。恐ろしい想定です。
防災セミナーには清田区内の町内会役員ら55人が参加しました。
はじめに、主催者の清田区民センター運営委員会の伊藤昭夫委員長が、真冬に月寒断層が動いて大地震が発生した場合の被害想定を念頭に、今回の防災セミナーを開催した旨を述べました。
セミナー第1部は公益財団法人札幌市防災協会の防災・危機管理アドバイザー細川雅彦さん(元消防士)が「厳冬期に災害に遭ったら」と題して基調講演しました。
細川さんは、札幌の真冬に大地震が発生した場合、道路・交通障害が発生し、救援活動や救援物資の搬送が停滞することが予想されるといいます。さらに、停電による信号機の不点灯、大雪時だと放置車両で除排雪が出来なくなるなどして、さらに交通障害が深刻化することもあるとしています。

避難所配備の最新簡易トイレを見る参加者
このため「家庭での非常食の備蓄は最低でも3日間、できれば1週間分は必要」と述べました。また、停電に備えてカセットコンロと、停電でも使えるストーブは必須のアイテムと言います。寒さ対策が必要です。
第2部は、清田区役所地域安全担当係の職員が、避難所で使う最新の簡易トイレと簡易ベッド、手巻き式のLEDランタンの3品を紹介しました。セミナー参加者は手に取って、それぞれ体験するなどしました。

札幌市内の避難所(小学校等)に配備している最新の簡易ベッド
簡易ベッドは、担架に足が付いたような構造で、畳んである状態からただ広げるだけで完成。その手軽さに、参加者は「最近の備品は進歩しているね」と感心しきりでした。
「天災は忘れたころにやって来る」といいますが、近年は忘れないうちに次々とやってくる感じです。日ごろからの心構えと備えが大事なようです。
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