恵庭市のカリンバ遺跡の森の中は、春に白い花を咲かせるオオバナノエンレイソウのちょっとした群落があり、今の時期、見ごろになっています。「森の貴婦人」と呼ばれるオオバナノエンレイソウを探しながら、カリンバ遺跡周辺の森と緑地の周辺を散策しました。(2022年5月9日)。

オオバナノエンレイソウの群落=2022年5月9日、恵庭・カリンバ遺跡

オオバナノエンレイソウ

 カリンバ遺跡に隣接するカリンバ自然公園(恵庭市黄金南6丁目1)の駐車場(3台分あり)に車を停めて、周辺の散策を始めました。

 カリンバ遺跡(4.2ヘクタール)は恵庭市の住宅街の中にあり、北海道文教大学と隣接しています。カリンバ遺跡は、広い原っぱのエリアと樹林地とからなり、オオバナノエンレイソウの群落は樹林地の中にありました。

右は北海道文教大学附属高校。左手の森の中にオオバナノエンレイソウの群落がある

 群落の場所は、カリンバ自然公園の向かいで、北海道文教大学付属高校の門があるすぐ隣です。遺跡の敷地ぎりぎりの所からオオバナノエンレイソウがたくさん咲いています。

カリンバ遺跡のすぐ外の森でもオオバナノエンレイソウが咲く

 オオバナノエンレイソウは北海道と東北の一部に分布する山野草で、北海道では各地で群落がみられるそうで、特に十勝の広尾町の大群落は有名です。いつか見てみたいものです。

 カリンバ遺跡の周囲の森の中も、群落というほどではないですが、あちこちにオオバナノエンレイソウが見られます。

カリンバ自然公園

 隣接のカリンバ自然公園はミズバショウ(水芭蕉)の景勝地の一つですが、さすがにミズバショウは終わっていました。

 オオバナノエンレイソウは、北海道大学の敷地内の原生林(恵迪の森)でも見られ、この花は北海道大学の校章になっています。

 また、北海道大学恵迪(けいてき)寮の有名な寮歌「都ぞ弥生」の中でも、この花は次のように歌われています。

牧場の若草陽炎(かげろう)燃えて
森には桂の新緑萌(きざ)し
雲ゆく雲雀(ひばり)に延齢草(えんれいそう)の
真白の花影さゆらぎて立つ

 まさに、オオバナノエンレイソウの花は、春の風に吹かれて、「真白の花影さゆらぎて立つ」感じです。気品を感じます。

カリンバ遺跡。前方の森の中にオオバナノエンレイソウの群落がある

 ところで、カリンバ遺跡とは、縄文時代後期(約3000年前)の土坑墓群や装身具などが発見された遺跡です。2005年に国の史跡に指定され、出土した装身具等は重要文化財に指定されています。これらは遺跡から2㎞離れた恵庭市郷土資料館(恵庭市南島松157-2)で見ることができます。

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