3月26日告示、4月9日投開票の札幌市長選挙に立候補する候補予定者3氏の公開討論会が3月14日(火)と3月15日(水)、相次いで開催されました。

札幌市長選公開討論会=2023年3月14日、共済ホール

 3氏は、元札幌市市民文化局長の高野馨氏、現職で3選を目指す秋元克広氏、NPO法人事務局長の木幡秀男氏。

札幌市長選公開討論会=2023年3月15日、道新ホール

 3月14日は札幌青年会議所主催で、共催ホールで行われました。3月15日は北海道新聞主催で、道新ホールで行われました。

 2回の公開討論会とも、2030年冬季札幌五輪招致の是非、少子高齢化対策、経済・交通インフラ対策、日本ハム球団が撤退した札幌ドームの経営問題、除排雪の課題、物価高、エネルギー問題など市政の課題について多岐にわたり3氏が意見を述べました。

 3氏の話はいずれも内容の濃いものでしたが、ここでは清田区民の関心が高い地下鉄清田延伸がどのように話されたのか、紹介いたします。

◆3月14日の公開討論会

■秋元克広氏

秋元克広氏

 地下鉄延伸については、札幌は積雪寒冷地でありますので、冬の交通を考えたときに地下鉄は札幌にとって非常に重要です。

 一方で、今の日本では、地下鉄延伸などは交通事業者(札幌の場合は交通局)が事業費を出して建設し、それを料金で回収するという仕組みであります。

 (地下鉄延伸は)国から交通事業の許可がいるわけですが、将来的な収支予測や需要予測を出して、何年かたって黒字になってゆくという状況になって初めて許可が出るのです。

 今、残念ながら清田方面について需要予測をすると、黒字になる数字が出てこないのです。従って、現状では、国に対し認可申請ができない状況です。

 ですから、ここは(収支以外にも)(地下鉄延伸の)必要性というものでは、雪というもの(に着目したい)。昨年の大雪の状況の中でも、地下鉄沿線で地下鉄を使って(会社や学校に)通われる方については大きな支障はありませんでした。その意味で札幌の交通体系としては、地下鉄は非常に重要です。

 ただ、需要予測がきちんと出なければ認められないということなので、(地下鉄東豊線および延伸ルート)周辺の人の動きだとか、(札幌ドーム周辺の)土地利用だとか、そういった状況を見て、さらに検討を進めていかなければならないと考えています」

 (札幌青年会議所の公開討論会は、フリーライターの佐藤のりゆき氏が司会を務めましたが、地下鉄延伸について高野氏、木幡氏には問いかけがありませんでした。したがって2氏の発言はありません。高野氏は自身のツイッターで「青年会議所の公開討論会に出席しましたが、地下鉄延伸や札幌ドーム問題について発言機会が無く残念でした」とツイートしています)

◆3月15日の公開討論会(出馬表明順)

■高野馨氏

高野馨氏

 雪に強い地下鉄の延伸については、東豊線は清田区まで延伸、東西線は手稲区までの延伸を考えております。

 (様々な政策公約の)財源の裏付けは、私の公約にすべて書いております。地方交付税の見直しや今の公債償還ルールの改定とか、札幌市は遊休地として普通財産295万㎡もありますので、これらを積極的に売却して市の財政に寄与させるなどです。

■秋元克広氏

 地下鉄延伸につきましては国の許可を得るためには、事業採算性という見込みがつかなければ申請できないという仕組みになっていますので、引き続き需要の見込みということを検証していきたいと考えています。

■木幡秀男氏

木幡秀男氏

 地下鉄の延伸は、地元の住民、特に清田区については地元住民の要望もある話ですので、これは実施に向けた検討を進めていくことに私は賛成です。

(討論会の最後に以下の通り高野氏から注目の発言がありました)

■高野馨氏

 先日、知人から聞いた話では、清田地区ここに地下鉄が延伸してくれば、2000人規模の企業が食指を伸ばしているということです。

 ですから、私の公約の中でも地下鉄延伸など、企業誘致のためのインセンティブを与えるということ、そういうことも必要だと思っております。

 3月15日に行った公開討論会の動画は、こちらでご覧になれます。

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