公園の半分以上が原生林に覆われた恵庭公園(恵庭市駒場町4丁目)を散策してきました(2023年4月30日)。森の中の散策路わきにエゾエンゴサクやニリンソウの群落があり、オオバナノエンレイソウなど野の花たちが咲いていました。

恵庭公園の春=2023年4月30日

エゾエンゴサク

 恵庭公園は広さが42ヘクタール。野球場や陸上競技場、テニスコートなどの運動施設もありますが、公園の半分以上は原始林の森になっています。周囲は住宅街ですが、一歩、森の中に入ると、そこはもう別世界です。

ニリンソウ

 森の中にユカンボシ川の源流部があり、きれいな水が湧き出ていています。清流が恵庭公園内を静かに流れ下り、隣接するユカンボシ川河畔公園内を流れ、恵庭の市街に出て長都川を経て千歳川に流れて行っています。

オオバナノエンレイソウ

 駐車場が60台分あり、ここに車を停めて散策を始めました。

 野の花がたくさん見られるのは、陸上競技場などがある反対側、公園の東側から北側一帯の森です。

エンレイソウ

 散策路の脇に、さわやかなブルーのエゾエンゴサクの花がずうっと続いて咲いています。エゾエンゴサクの群落もあちこちにありました。

 さらに歩いて行くと、白い可憐なニリンソウの花が咲いていました。群落になっているところもあります。

ミヤマスミレ

 ユカンボシ川の源流部は、水がきれいで、まるで西洋画を見るような美しさです。石の橋の近くの水辺にオオバナノエンレイソウの群落がありました。清楚な白い花が春の日差しに当たり、輝いて見えました。

フッキソウ

 このほか、ミヤマスミレ(と思われる花。スミレは種類が多く判別が難しいです。間違っていたら御免なさい)やエンレイソウの花も咲いていました。ミヤマスミレは本州中部では標高1000メートル以上で見られる花だそうです。

 散策路を歩いていると、フッキソウの花も咲いていました。この花は地味で、ちょっと見逃しそうですが、精いっぱい、森の中で咲いていました。

 公園内では、桜やキタコブシもまだ咲いていました。

キタコブシ

サクラ

乳牛感謝之碑

 昨年、恵庭公園を訪れたのは4月19日。今年、それより10日余り遅く訪れただけなのに、春の花たちは結構入れ替わっていました。春は駆け足です。

 恵庭公園のある場所は、もともとは明治時代に開拓使が乳牛の放牧場とした所です。その後、昭和33年(1958年)まで北海道畜産試験場恵庭放牧場となり、その跡地にできたのが恵庭公園です。

 恵庭公園の森深く、ユカンボシ川の源流地を見下ろす場所に、「乳牛感謝之碑」が人知れず建っています。

 昭和39年(1964年)、恵庭酪農振興会が建立したもので、題字は町村金吾知事(当時)の揮毫(きごう)です。この地が、恵庭の酪農の象徴的な場所だったことがうかがえます。

 恵庭岳山麓の火山礫地の荒廃した土地を、豊かな酪農地帯にした先人たちの並々ならぬ苦労がしのばれ公園でもあります。

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