清田区平岡の明楽(あけら)みゆきさんは、日本では数少ない古楽器チェンバロの奏者です。その明楽みゆきさんが5月13日(土)、地元のイオンモール札幌平岡の特設ステージでチェンバロ・コンサートを行いました。

チェンバロを演奏する明楽みゆきさん

 チェンバロは、ピアノが発明される前の17世紀から18世紀に西洋で人気があった鍵盤楽器です。ピアノは弦をたたいて音を出しますが、チェンバロは弦をはじいて音を出します。優美で優しい音です。

 イオン平岡のコンサートは清田区20周年記念のスプリングコンサートとして、清田区が主催しました。

 チェンバロは全国に20台ほどしかないそうで、この日も明楽さんは自分のチェンバロを会場に持ち込んで演奏に臨みました。

 あまり見かけない楽器のため、明楽さんはチェンバロという楽器をやさしく説明しながら演奏に入りました。

 バッハの「アヴェマリア」やカッチーニの「アヴェマリア」、ヘンデルの「パッサカリア」といったクラシックの名曲から、「星に願いを」「ハナミズキ」「涙そうそう」など様々なジャンルの曲を演奏してくれました。

 ピアソラの「リベルタンゴ」などもチェンバロで演奏し、意外な魅力を聴衆に感じさせてくれました。

 会場には、明楽さんのチェンバロ演奏を楽しみにした人が大勢詰めかけ、素晴らしい演奏に耳を傾けました。

 明楽さんは大阪音楽大学を卒業し、その後、ベルギーとドイツに留学。結婚後、ご主人(北大教授)の転勤で一時アメリカへ。米国でも演奏活動を続けていたそうです。

 帰国後は、清田区平岡に家を建て、自宅でピアノとチェンバロの教室を主宰しながら、チェンバロの演奏家として全国で活躍しています。

 演奏は札幌や全道各地、さらには関西や九州など全国各地で行っています。演奏会場はさまざまで、北海道神宮や京都の古寺、各地の美術館、能楽堂など意外な所でも演奏しています。

 清田区内でも、平岡ふれあいまつりや北野の高齢者介護施設などで演奏することがあります。

 どの演奏会場にも、明楽さんはチェンバロの脚を外して車の後ろに積み込み、一人で運転して出かけます。道外へは、チェンバロを運ぶ関係でフェリーと車で目的地まで行きます。

コンサート後もチェンバロを解説する明楽さん

 全国各地で演奏する明楽さんですが、かねてから「地元の清田区でもっともっと演奏したい。地元の人たちにチェンバロの良さを知っていただきたい」という希望を持っていた明楽さん。今回のイオン平岡でのコンサートは、その希望がかない、とても楽しそうにステージを務めていたのが印象的でした。

きよっちと写真に納まり、清田区をアピール

 明楽さんは4歳からピアノを始めたそうですが、大学時代、バッハの曲を弾いていて、ふと疑問が生じたそうです。「バッハの時代にはピアノはなかった。当時の楽器チェンバロでバッハを弾いてみよう」。これがチェンバロを始めたきっかけだそうです。

 明楽さんは今年も6月15日(木)、北海道神宮境内の神前舞台でチェンバロの奉納公演を行います(19時15分~20時)。明楽さんは十二単(じゅうにひとえ)のような装束で演奏します。和と洋の文化の融合が見ものです。

北海道神宮での演奏

 また、6月18日(日)には、小樽・にしん御殿貴賓館(旧青山別邸)で花天井コンサートを行います(午後1時開演)。これは、明楽さん自身が江戸時代の北前船寄港地で演奏と歴史語りの活動を行っている「現代版北前船プロジェクト」の一環です。入場料2500円。チケットは大丸プレイガイドとヤマハ小樽店で。

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