「面白かった」「良かったね」。開場を埋めた360人の観客は、みんな大変満足した笑顔で会場から出てきました。「清田愛」あふれるお芝居に感動しきりでした。

劇団札幌座「清き田に咲くナンミョーほうれん草」

清田特産ホウレン草が随所に登場

 清田区演劇の集い(実行委員会主催)が6月25日(日)、清田区民センター(清田区清田1条2丁目)で行われ、北海道演劇財団の劇団札幌座が、今回の上演のために書き下ろした新作「清き田に咲くナンミョーほうれん草」を上演しました。

 のっけから清田区特産のほうれん草「ポーラスター」が登場。ほうれん草を使った料理が次々出てきたり、清田区美しが丘の和菓子屋さん「みつや」の梅林ロールや梅林最中など清田スイーツの話が出てきたり、コカ・コーラの「いろはす」が出てきたりと、清田ネタ満載の軽妙な芝居が展開しました。

 身近な清田ネタが登場するたびに、客席から思わず大きな笑いが何度も沸き起こりました。

 清田区のゆるキャラ「きよっち」も登場、芝居はユーモアあふれるファンタジーチックな展開になっていきます。特段のストーリーがあるわけではありませんが、白旗山や平岡梅林の話が出てきたりして、「清田愛」いっぱいの舞台が繰り広げられました。

清田区長(中央)ときよっちも出演

お経と歌のコラボ

 途中で、高橋彰清田区長も客席から舞台に登壇。学生時代から合唱をやっている高橋区長は、ピアノの伴奏で「千の風になって」を独唱、会場から大きな拍手を浴びました。

 清田ネタの中には、こんな絶叫調のセリフもあり、この時が一番盛り上がりました。「地下鉄もJRも警察署も集配郵便局も、清田区にはないんだ」。

終演後のトークショー

 ちょっと自虐的ですが、清田区誕生20年にもなって、こうした都市機能が備わっていない現実を皮肉ったせりふに、会場は大きく複雑な笑いに包まれました。

 「地下鉄も警察署も早く来てほしい」という清田区民の心情を、的確に且つ巧みにくみ取った演技。笑い飛ばすしかないといった反応だったのでしょう。

 この芝居は、札幌を拠点に俳優、舞台監督、脚本家として活躍する斎藤歩さんの作品。斎藤さんが脚本、演出、音楽を担当、役者としても出演しました。

 出演はほかに、清田区平岡出身の舞台俳優、彦素由彦さんをはじめ歌手のNAOMIさん、ピアニストの伊藤珠貴さん、女優の西田薫さん、僧侶の末澤隆信さん。みなさん斎藤さんの仲間だそうです。

地元のスター彦素由幸さん

 舞台狭しと動き回る平岡出身の彦素由幸さんの演技、光っていましたね。

 主催の清田区演劇の集い実行委員会(大内良一代表)は清田区民でつくる演劇鑑賞グループ。「清田区でも身近に演劇鑑賞の場を」と平成17年、第1回演劇の集いを開催、これまでに10回の演劇の集いを開催してきました。

盛り上がった満席の客席

 毎回、札幌座の芝居を上演してきました。11回目の今回は、清田区20周年ということもあり、斉藤さんの書き下ろしの新作を上演しました。

 脚本の素晴らしさ、役者たち軽妙な演技。舞台に呼応して盛り上がる観客。本当に面白い75分間のお芝居でした。

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