清田区と豊平区の町内会連合会などでつくる地下鉄東豊線建設促進期成会連合会(会長、牧野晃清田地区町内会連合会会長)は7月1日(金)、札幌市役所に秋元克広市長を訪ね、地下鉄東豊線の清田方面への延伸を重ねて要望しました。

地域を代表して秋元市長に要望する地下鉄東豊線建設期成会=向こう側

地域を代表して秋元市長に要望する地下鉄東豊線建設期成会=向こう側

 

 要望には、清田区と豊平区の10町内会連合会と清田地区商工振興会、札幌清田ライオンズクラブの構成12団体の代表が顔をそろえ、さらに清田区選出の市議、道議全員が加わり、地域住民の総意として改めて地下鉄清田延伸を訴えました。

 期成会は、①オリンピック招致関連②清田区の地域中心核づくり③清田区内の交通渋滞緩和ーの3つの観点から地下鉄清田延伸を要望しました。

秋元市長に強く要望する牧野会長

秋元市長に強く要望する牧野会長

[オリンピック招致交通計画に地下鉄延伸を!]
 秋元市長は2015年に就任後、「札幌冬季オリンピック招致に合わせ、開閉会式を行う札幌ドーム周辺の土地利用を考え、地下鉄清田延伸の採算性を検討していきたい」と表明。しかし、2016年5月に発表した「冬季オリンピック開催概要計画」では、「東豊線清田延伸」は記載されず、むしろ「地下鉄、バス、JRなど既存公共交通を効率的に活用」と、「既存」が強調されました。

 これに、期成会は強く反発し、牧野会長は「開催概要計画の最終版には、地下鉄延伸をぜひ追加記載してほしい」と要望しました。

 これに対し、秋元市長は「開催計画には、競技運営に必要最低限のものを掲載しています。今すぐ、地下鉄延伸の推計をまとめるのは困難です。オリンピック開催計画に、地下鉄延伸が入っていないからと言って、一切何もやらないというわけではありません」と述べました。

要望を聞く秋元市長

要望を聞く秋元市長

 また、開催概要計画で「既存」公共交通機関を強調したような表現について、秋元市長は「最終版では見直しを検討したい」と話しました。

[清田区のまちづくり、地域交流拠点づくりの核は地下鉄駅の設置!]
 清田区は札幌10区の中で、JRも地下鉄もない唯一の区です。札幌市が平成25年に策定した「札幌市戦略ビジョン」では、区役所周辺の清田地区を地域交流拠点に整備する」としていますが、鉄道系の駅がないために地域交流拠点の整備がままならないのが現状です。

 しかも、東豊線の清田方面延伸は、札幌市自身がかつて正式に長期計画に載せていた地域住民への約束です。長期計画に載せて、いまだに実現していないのは、この清田延伸区間のみです。

地下鉄清田延伸を呼びかける期成会のポスター

地下鉄清田延伸を呼びかける期成会のポスター

 牧野会長は「地下鉄を延伸し、清田地区に地下鉄ターミナル駅を」と重ねて要望しました。

 これについて秋元市長は「清田地区を地域交流拠点にするまちづくりの考え方に変わりはありません。地下鉄も含めて、まちづくりについて考えていく」と答えました。

[渋滞緩和のために地下鉄延伸を!]
 清田区内や北広島市大曲地区に近年、大型商業施設が集積し、朝夕や土日に清田区内の国道36号線と羊ケ丘通が大渋滞になる事態が生じています。清田区には、地下鉄がないために車での移動が主となりがちで、交通渋滞に拍車をかけていると地域住民は実感しています。

 牧野会長は「交通渋滞を緩和するためにも、地下鉄延伸が大きな効果があると考えます」と要望しました。

 秋元市長は「清田区の交通渋滞は喫緊の課題と認識しています。地下鉄延伸問題とは別に、北海道や関係機関と具体的に協議しており、渋滞緩和のために手が付けられるものからやっていきます」と述べました。

 また、清田中央と福住、東月寒の各町内会連合会の会長から「日ハムが札幌ドームから移るかもしれないという話が出ているが、もしそうなれば東豊線の乗客が減り、地下鉄経営上も清田延伸にも大きな影響が出る。札幌ドームにとどまるよう市長としても頑張ってほしい」との切実な要望が出されました。

 秋元市長は「正直、私も困惑しています。引き続き札幌ドームを使っていただきたいというのが第一です。日ハムからは、天然芝にしてほしい、急な座席を改善してほしいなど言われています。なんとか折り合いをつけて、札幌ドームを使い続けてもらう道がないか、と考えているところです」と答えました。

 秋元市長は、今回の期成会の要望について「地域の熱い思いを聞いて、改めて地域のみなさんの(地下鉄延伸への)待望の声が強いことを認識しました」と感想を述べました。

地下鉄延伸を訴える期成会のティッシュ

地下鉄延伸を訴える期成会のティッシュ

 地下鉄の清田延伸は、清田区民と豊平区の沿線住民の長年の悲願です。最近は北広島市大曲地区の住民も強い関心を示しています。秋元市長には、ぜひ地域のこの熱い思いをくみ取っていただきたいと思います。

 地下鉄東豊線建設促進期成会連合会は昭和56年の結成。清田区の清田、北野、清田中央、平岡、里塚・美しが丘の5町内会連合会と豊平区の豊平、月寒、福住、東月寒、美園の5町内会連合会、さらに清田地区商工振興会、札幌清田ライオンズクラブの12団体で構成。

 毎年、市長に清田延伸などの要望活動を行ってきたほか、地下鉄福住駅周辺で延伸を呼び掛ける街頭活動などを行い、運動を続けています。