知野学清田区長は3月31日をもって清田区長を退任し、4月1日、札幌市市民文化局長に異動になります。2年間、清田区のまちの活性化に努め、数々の取り組みをした区長さんでした。

知野学清田区長

 2023年4月に着任した知野区長は、清田区とりわけ地域交流拠点清田の賑わいづくりに力を入れてくれました。

 その一つが、2024年1月、雪の清田区役所前広場を会場に初めて開催した「きよたウインターフェスティバル」です。今年1月に第2回を開催、いずれも大勢の区民や子供たちが来場、賑わいました。

 今後、夏の「清田ふれあい区民まつり」とともに、清田区の名物イベントになって行くことでしょう。

きよたウインターフェスティバル=2025年1月25日、区役所前市民交流広場

 これについて知野区長は「目玉は、ばん馬によるタイヤチューブそりとドサンコ(2頭)による乗馬体験。これは札幌清田ライオンズクラブの協力なしに実現しませんでした。というのも『札幌まちばしゃ』(観光幌馬車)を運営している会社の社長が清田ライオンズクラブの会員で、私が着任早々の時に名刺交換した際、観光幌馬車をやっているということを聞いていたので、協力を打診したんです。そしたら、喜んで受けてくださった」といいます。

 雪の滑り台など雪の子供遊園地を設営・運営したのは北野のリフォーム会社「職人工房」です。これについても知野区長は「初めて出会ったとき、『地元の清田区に貢献したい』という話をされていたので、協力を打診したら快くOKしてくれました。こうやって地域ぐるみでウインターフェスティバルが出来ました」と振り返ります。

モルック大会で始球式を行う知野区長=2023年8月13日、市民交流広場

 モルック大会(きよたモルックまつり)も2023年、2024年の夏に清田地区商工振興会と共に開催。これも今後、毎年の開催が期待されます。

佐藤広大さんを清田区応援大使に=2024年11月15日

 清田区を盛り上げるため昨年11月には、清田区出身の人気シンガーソングライター佐藤広大さんを「清田区応援大使」に委嘱しました。

 清田区の特徴は「子育て世代の転入が多いこと」(知野区長)といいます。

 そこで子育て支援として、区役所2階の乳幼児健診会場を温かみのある雰囲気にリニューアルしました。ここには土木・舗装工事の道央環境株式会社(清田)から寄贈された組立式授乳室(110万円)も設置しました。

PMF森のファミリーコンサート=2025年3月2日、株式会社アミノアップ

 また、子供たちが気軽に本格的な音楽に触れられるようにと、今年3月、真栄の株式会社アミノアップで「PMF森のファミリーコンサート」を実施しました。

 この2年間、賑わいづくりでも子育て支援でも、地元企業とうまくタイアップして事業を実現させてきました。

時にはカラオケで歌を披露=2025年1月6日、平岡地区町内会連合会の新年交礼会で

 清田区内の病院が連携して2024年8月~2025年1月に実施した無料送迎バス(きよっちメディカルバス)は注目された取り組みでした。病院関係者が意欲的に取り組んだ事業ですが、国交省との交渉など清田区も全面的にバックアップしました。2025年度もこの事業は行われる予定です。

 知野区長が4月から所管する市民文化局は、札幌10区の区役所を統括するほか、消費生活、男女共同参画、人権、平和、アイヌ、文化芸術、PMFなど多岐に渡る分野を担当するそうです。

 各区役所を統括することから、現在計画中の新清田区民センターの移転・新設も担当します。これは、現在、清田公園隣にある清田区民センターを清田区役所前の市民交流広場に移転・新設するというものです。

 市の原案では、新区民センター(2階建て)は区民ホールと清田図書館(区役所4階から移設)からなり、区民センターに必須の貸室(集会室、視聴覚室、和室、料理実習室等)や区民センター事務室は今の清田図書館がある区役所4階に分離設置するというものです。

 これには、市の説明会等で「分離は使い勝手が悪すぎる」と、清田区民センター利用者や区民センターを管理する運営委員会をはじめ大きな反対論が噴き出しています

 区民センターとしての一体感をつくるために、せめて貸室と事務室を今の区役所2階(区長室や地域振興課などがあるフロア)に設置し、そこと隣接する新区民センターを2階で短い専用廊下により結ぶ案が区民側から提案されています。(この場合、区長室や地域振興課などは図書館跡の4階に移設)

 市民文化局長になる知野区長は「区民の声をよく聴いて計画を作ります」と言っており、最終的にどういう区民センターになるのか、その手腕が期待されるところです。開館は2029年度の予定です。

「思いは清田区民と同じ」と、地下鉄期成会ののぼり旗とともに笑顔で写真に収まる秋元市長(左)と知野区長=2024年7月23日、清田ふれあい区民まつり会場で

 最後に、2年間勤務した清田区について、知野区長は「住環境が素晴らしい区で、地域の方々の取り組みにも素晴らしいものがたくさんあり感心しました。地下鉄はやはり延ばさなくてはと思います。地域交流拠点には地下鉄駅とバスターミナルが必要という思いはあります」と話してくれました。

 そして「清田区民の皆さんに感謝です。これからも清田区を応援していきます」と、区民に退任のメッセージを残しました。

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