地下鉄東豊線建設促進期成会連合会(牧野晃会長)は7月4日(火)、札幌市役所を訪れ、秋元克広札幌市長に「地下鉄東豊線の清田方面延長」を重ねて要望しました。

要望書を秋元市長(手前)に手渡す牧野会長

 同期成会は昭和56年に結成され、一貫して清田方面までの地下鉄建設を求める活動を続けています。豊平区と清田区の町内会連合会10団体と清田地区商工振興会、札幌清田ライオンズクラブの計12団体で構成しています。

町連会長らが顔をそろえた地下鉄期成会の市長要望

 市長要望は毎年、必ず行い、その時々の情勢に応じた要望書を市長に手渡し、粘り強い活動を展開してきました。

 期成会には清田区と豊平区の市議、道議が顧問として名を連ね、活動を支えています。

 この日の要望活動には、期成会の構成団体の代表や市議、道議ら計28人が参加しました。

 牧野会長は、次の5つの点から地下鉄延伸を要望しました。

①オリンピック招致に合わせて、札幌ドーム周辺の土地利用と地下鉄建設の検討を進めていただきたい。

②札幌ドーム周辺を一大スポーツエリアとして整備するという市長の構想は、期成会も同じ考えです。ぜひ、実現していただきたい。そして「スポーツーリズムによるまちづくり」を積極的に推進し、周辺地域の交流人口の増加を図っていただきたい。

要望を聴く秋元市長

③清田区に隣接する北広島市大曲地区は大型の商業施設が集積し、新千歳空港・道央自動車道を経由して全道・全国・海外から多くの買い物客を集めています。そうした乗客を取り込むという広域的な視点(道央ベルト圏構想)で札幌の地下鉄延伸を検討していただきたい。

④「スポーツーリズムによるまちづくり」や「道央ベルト圏構想」の戦略拠点は、清田区役所周辺の「地域交流拠点」であると考えます。清田区役所周辺をこのように位置づけ、整備していくことが東豊線延伸の事業採算性と札幌市のまちづくりに寄与するものと考えます。

⑤札幌ドームと北広島大曲区間は、全道でも有数の交通渋滞区間になっています。交通渋滞を緩和するためにも、地下鉄延伸は大きな効果があると考えます。

清田区内の5人の町連会長

 牧野会長は、以上5つの視点から地下鉄延伸を要望し、「豊平区・清田区の未来に向けた住民の期待と希望をご賢察いただき、地域住民の総意としてここに要望いたします」と説明しました。

質問に答える秋元市長

 これに対し、秋元市長は次のように答えました。

「地域の皆さんの思いは重く受け止めなければならないと考えています。スポーツツーリズムや道央ベルト圏構想などの提案もいただき感謝します。ただ、人口推移が推計より下回っており、事業採算性がただちに好転するという材料は出てきていません。現時点で明るいプラスの話を申し上げられる状況ではありません。しかし、皆さんからの提言も含め、皆さんの思いを重く受け止め、引き続き内部で検討をしていきます」

 これについて、期成会の町連会長らがいくつかの質問や意見を述べました。

豊平区と清田区の市議、道議も加わる

「昭和54年に札幌市は地下鉄50キロ構想を掲げ、清田地域まで地下鉄を伸ばす計画だった。それを信じて清田地域に家を建てた人がたくさんいる。どのように思っているのか」

「同じ税金を払っているのに、清田区には地下鉄がなく恩恵がないと区民の多くが言っている」

「日本ハムのボールパーク構想に関して、期成会としては札幌ドーム残留あるいは隣接の農業試験場を候補にしてほしいと要望を出している。農業試験場にもっとアプローチしてほしい」

「清田区は分区して20年たつが、いまだに地下鉄も警察署も会合ができるホテルも大型の郵便局もない唯一の区だ。少し清田区にも光を当てるようにしてほしい」

「人口が増えることが大事だと言うが、反対に、地下鉄が来ることで人口が増えることもあるのでないか。採算性の問題は確かにあろうが、区民の夢というか、採算性を乗り超えるものもあるのでないか」

テレビ局や新聞社も取材

 これら声に秋元市長は「清田延伸には1日28000人の乗客を増やさないといけない。この数字を作るには、住む人が増えるか、観光などで訪れる人を増やすかだ。皆さんからいろいろなアイデアや提案をいただいたので、引き続き検討させていただきたい」と答えました。

 最後に、期成会顧問の岩本剛人道議(清田区)が発言。「札幌市は交通計画の改定を行うようですが、採算ベースだけで検討して、採算に乗らないから延伸は難しいと、単純な結論だけにしてほしくありません」と要望しました。

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