札幌市南区真駒内の住民でつくる「真駒内公園内に球場建設反対の会」(代表:戸谷彰男さん)は2月28日、真駒内公園内に日本ハム新球場を建設することに反対する請願を、松浦忠市議(改革)が紹介議員となって札幌市議会に提出しました。市議会総務委員会は3月15日(木)、その請願の初審査を行いました。

札幌市議会総務委員会=2018年3月15日

 請願の要旨は「真駒内公園内に球場建設をしないことを決議し、議会として秋元克広市長に申し入れることを求めます」というものです。

 請願理由は次の通りです(全文)。

「秋元克広札幌市長は、真駒内公園内に日本ハムファイターズの球場建設を推進することを先日の市議会で表明しました。このことは、私たちにとってまさに青天の霹靂であります。真駒内住民に対し、建設内容等の事前説明もなく、住民無視さらには議会無視で、独裁的市政運営です。
 よって、札幌市議会においては市長が真駒内住民に建設内容等を説明し、住民意思を尊重して球場建設しないことを決議し、秋元克広市長に申し入れることを求める請願です」。

市議会で請願の趣旨を説明する戸谷さん

 これについて、請願者代表の戸谷さんが説明し、「札幌市自治基本条例の原点に戻って市も市議会も考えてほしい」と訴えました。

 札幌市自治基本条例は平成19年4月1日に施行。上田前市長のときに策定されたものです。市のホームページによると、「『市民が主役のまちづくり』を進めるためのみんなのルール」ということだそうです。

 戸谷さんは、札幌市自治基本条例の中で特に次の条文を読み上げ、「自治条例の原点に立って、市議会と市は新球場問題を考えてほしい」と訴えました。

・「すべての市民は、まちづくりに参加することができる」(第6条)

・「全ての市民は、市政に関する情報について、公開または提供を求めることができる」(第7条)

・「市は、市政への市民参加を保障するものとし、そのための制度の充実に努めなければならない」(第21条1項)

・「市は、政策の立案、実施、評価等の各段階において、市民の参加を進め、市民の意見を適切に反映されるように努めなければならない」(第21条2項)

 戸谷さんら「反対の会」は、地域住民になんら事前説明がなく、札幌市自治基本条例にあるような市民参加もないまま、日本ハム新球場として真駒内公園を強引に提案する札幌市のやり方に猛烈に反発しています。

 戸谷さんは、万一、真駒内に建設が決まった場合、反対運動をさらに継続、拡大していく考えを表明しました。

 補足説明に立った紹介議員の松浦忠議員は「豊平区と清田区のすべての町内会連合会会長から先週、札幌ドームを活かした方向で市長は取り組んでほしいとの要望書が出ました。札幌ドームの運営を心配してのことと思います。議会としてもきちんと対応していかなければなりません」と発言しました。

 各議員からは、「市の進め方は住民無視」「市はもっと議会にも住民にも説明が必要。判断材料の情報が不足している」「日本ハムが出て行った後の札幌ドームの運営は大丈夫なのか」といった質問が出ました。

 札幌市側は秋元市長が欠席し、担当の局長や部長が答弁しましたが、これまでの議会や記者会見での市長発言と同じようなものでした。請願は継続審議となりました。

 この日の総務委員会には、真駒内の反対住民十数人が傍聴席で、やり取りを見守りました。

[広告]