札幌市議会は2月26日(月)、平成30年第1回定例会の代表質問を行い、自民党の中川賢一議員(中央区)と民進党の松原淳二議員(厚別区)の2議員が代表質問を行いました。
両議員とも市政全般にわたる諸課題を取り上げましたが、目下、市民の大きな関心事になっている日本ハムファイターズの新球場移転問題についても取り上げ、秋元克広市長の考えを問いました。
両議員と秋元市長の質疑のやり取りは次の通りです。
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○中川賢一議員
ファイターズは、新球場移転について今年3月末までに一定の結論を出すということで、まもなくその結論が示される予定であります。昨年12月の実務者協議におきまして、新球場建設の候補地として道立真駒内公園も加えることになり、検討を進めるにあたっては、交通アクセスや自然環境、周辺環境など配慮すべき考え方を市はファイターズに示しました。それに沿って検討を進めるということになっています。
札幌市としては、新球場ができることで札幌ドームの経営に影響が生じる可能性があることから、北広島市のような固定資産税の減免といった具体的な提案になかなか踏み込めないものの、札幌の優位性をアピールし、ファイターズが市内に本拠地を置き続けるよう、明確な意思を示して取り組んでほしいと考えます。
その一方で、周辺地域の皆さまから渋滞の発生や緑が損なわれるのではないかといった不安の声も聞かれます。新球場は非常に多くの観客が集まる施設であり、地域に与える影響は大変大きい施設であることから、地域住民等の声をしっかりと聞きながら、市として方向性をもってファイターズと協議していく必要があると考えます。
そこで質問ですが、真駒内公園におけるファイターズの新球場建設の検討にあたり、札幌市はどのようなスタンスでかかわっていくつもりなのか。また、地域の不安の声に対して、どのように対応していくつもりなのか伺います。
併せて、札幌ドームにとって、ファイターズが移転となると今後の経営に極めて大きな影響が出ることは間違いなく、市民の中からも将来のドームの運営を心配する声や、2つの大型スタジアムを抱えることへの違和感を懸念する声などが聞こえてまいります。
移転先の検討が大詰めを迎えるなか、移転後の経営的な影響やいろいろなシナリオに対する対応方向などは、当然しっかりと進めておられるものと考えます。
そこで質問ですが、これまでの調査・検討を踏まえ、仮にファイターズが移転した場合、札幌ドームの収支や経営にどのような影響があると推計しているのか。その上で、札幌ドームのその後の経営の方向性や札幌市財政への影響について、市長はどのように考えているのか伺います。
○秋元克広市長
まず、札幌市のスタンスと地域への対応であります。球団が新球場を建設するという方針を掲げ、札幌ドームにとどまらないことになるのは大変残念に感じているところであります。
私は、球場に足を運ぶ数多くの市民が公共交通機関を使って行きやすく、また帰りやすい環境を確保するために、引き続き市内に本拠地を置いてほしいと考え、協議を進めてきたところであります。
2月16日から2月25日まで、真駒内公園における新球場建設に関する市民アンケートを行いました。現在、取りまとめているところでありますが、緑の保全や周辺道路の渋滞といったことに配慮を求める意見がある一方で、地域の活性化に向けた期待ということもあることが分かりました。
札幌市としては、これまでにいただいた意見をしっかりと受け止め、北海道およびファイターズと協議を進めて参りたいと思っています。この協議の中では、地域の方々の不安に対応していくために、新球場を建設する上での課題の対策に向けて、具体的な対策をファイターズとともに検討して参りたいと考えています。
次に、移転後の札幌ドームについてであります。ファイターズの移転は、札幌ドームの経営そのものに極めて大きな影響がありますことから、収益構造の抜本的な転換を図るため、新たなイベント誘致に関するマーケティング調査およびその分析を鋭意行っているところであります。
現時点までのところ、移転による影響をただちに回復する状況はございませんが、今後は株式会社札幌ドームとともに、新たなスポーツイベントの誘致に向け、より具体的な営業活動を行うとともに、経費削減等を含む経営改革案の検討を深めることで、札幌市財政への影響を最小限にするべく努めるところであります。
○松原淳二議員
北海道日本ハムファイターズが札幌ドームを本拠地としてから14年がたった現在、主催試合では年間200万人もの観客を動員し、一昨年、ファイターズが優勝した時にはパレードに13万8000人の市民やファンが駆けつけました。家族や職場の中でファイターズの活躍が日常の話題になるなど、ファイターズは市民にとって非常に重要な存在になっています。
一方で、新球場建設構想が明らかとなり、札幌市はファイターズの本拠地が市内に継続されるよう昨年4月13日、2カ所の候補地を提案したところです。札幌市は候補地を決めるに当たり、地下鉄やJR沿線で新球場の建設が検討できる場所を選定した後、現に建物などの土地利用がないこと、近隣の住宅地と一定の距離があること等の観点から絞り込みを行ったと聞いています。
しかし、ファイターズと実務者協議を進める中、新球場構想のイメージや必要とされる面積が明らかとなり、2つの候補地の難しさが生じることとなりました。
昨年12月15日に開催した第6回実務者協議では、道立真駒内公園での新球場建設を検討することになりました。札幌市は多くの方が真駒内公園を利用していることを踏まえ、検討にあたり考慮すべき事項として、緑の保全や周辺道路への負荷軽減といった10項目を提示し、ファイターズに示したところです。こうした中、ファイターズは2月11日に開催されたフォーラムにおいて、現時点での真駒内公園に建設する新球場の考え方やイメージを明らかにしたところです。
そこで質問ですが、現時点におけるファイターズの新球場の考え方について、札幌市はどのように受け止め、今後どのように進めていくのか伺います。
○秋元克広市長
北海道日本ハムファイターズからは、真駒内公園が多様な生物が生息する自然豊かな環境であることを踏まえているということや、ランニングなど公園利用者の利便性を向上させる考えなどが示され、札幌市としては、緑の保全や公園の利用環境の向上等が期待できるものと認識しているところであり、地権者である北海道に対して札幌市とファイターズの考え方を伝え、今後の進め方について協議を行っていきたいと考えております。
市民からは、周辺道路や自然環境等について不安の声や配慮を求める声も数多く届いておりますことから、今後、ファイターズと具体的な計画を協議していく過程の中で、情報提供や市民意見の把握等を行いながら進めて参りたいと考えています。
(一部聞き取れないところがありました)
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