梅・満開

 札幌国際大学(清田区清田4条1丁目)准教授の藤垣エミリア先生(芸術論、英語)が2月24日から4月20日までの2か月間、故郷のポーランド・トルン市の美術館で、自身の作品47点を展示する絵画展「旅人の絵道」を開催します。

 作品はすべて和紙に描いた水墨画、日本画。風景、竹、花、人物、動物などを、和洋の文化を背景に独自に描いたものです。華やかで繊細な筆づかいの世界が堪能できます。

 藤垣エミリア先生は、10歳のころから日本の文化に憧れ、故郷トルン市のコペルニクス大学(美術専攻)を卒業後、1982年(昭和57年)に来日しました。

 札幌でテレビの情報番組のキャスターや通訳などの仕事を経て、1997年から札幌国際大学の先生を務めています。

藤垣エミリア先生

 もともとは版画が専門ですが、日本に来てからは油絵やパステル画を描いていました。2011年にアトリエを作り、墨絵を独学で始めたところ、水墨の世界に吸い込まれ、「発見の連続」だといいます。

 「私は日本の職人が大好きです。畳や扇子、器など民芸品的なものを作っているのに芸術性がにじみ出ています。日本の職人のセンスの良さに対して尊敬の気持ちを持っていますので、自分もアーティストというより絵の職人、絵師になりたいと思っているのです。

夜明け・竹

河童の世界・北斎へのオマージュ

火山、松、雲海

 札幌のさいとうギャラリー(中央区南1西3)や大丸藤井セントラル(中央区南1西3)、東京などで日本画の個展を開いてきましたが、故郷ポーランドでは初めてです。

花魁(母上)

藤の花、雨上がり

 地元のトルン市の美術館から「ぜひ美術展を」と誘われての開催です。まさに「故郷に錦を飾る」作品展というわけです。

着物姿で

 美術館では、「日本の伝統工芸」について講演も行います。

 首都ワルシャワから180キロの所にあるトルン市はコペルニクスの出身地として知られ、旧市街が世界遺産に登録されている美しい都市です。

 なお、藤垣エミリア先生の水墨画や鉛筆の作品の一部は、次のアドレスをクリックするとご覧になれます。

http://cargocollective.com/emichi